北海道でハンドルを握ったことがある人なら、一度は経験があるはずです。
夕暮れの道路。ふと路肩に目をやると、暗がりの中でキラッと光る2つの点。
「……あ、鹿だ」
道民にとってはもはや日常の風景で、「またいるわ」くらいの感覚かもしれません。
でも実はこれ笑い話で済まないことも多いんですよね。
今日はそんなエゾシカと車の話をあるあるを交えつつ、いざというときのために真面目に整理してみます。
まず衝撃の事実:事故がいちばん多いのは「札幌方面」
「鹿の事故なんて、道東とか山のほうの話でしょ?」
そう思った方、多いと思います。私もそう思っていました。でも、データを見ると意外な事実が出てきます。
北海道内でエゾシカが関係する交通事故は、令和5年に全道で5,287件発生し、過去最多を更新しています。しかも調査によっては、発生が最も多い地域は札幌方面で、全体の4割前後を占めるという結果も出ています。
つまり、「うちは街だから関係ない」とは言えないということ。
札幌近郊でも、少し郊外に出れば鹿は普通にその辺にいるのです。
「秋の夕方」がいちばん危ない
エゾシカ事故には、はっきりした傾向があります。これを知っておくだけでリスクはかなり減らせます。
時期:10月〜11月に集中 年間の事故のうち、なんと約40%がこの2ヶ月に発生しています。秋は繁殖期で鹿の活動が活発になるうえ、日が短くなって暗い時間の運転が増えるためです。つまり、これから迎える秋がまさに本番。
時間帯:夕方から夜 事故の80%以上が16時〜24時の間に起きています。特に日の出前後と日没前後が鹿の活動ピーク。ちょうど通勤・帰宅の時間と重なるのが厄介なところです。
「秋の、夕方から夜」── 今日はここだけ覚えて帰ってください。
道民あるある「1頭だと思った?残念、群れです」
ここからは経験者なら深くうなずくやつです。
道路脇から1頭、ぴょんと飛び出してくる。急ブレーキで止まって、「あー、びっくりした。行ったな」と発進する。
そこで2頭目が来ます。
エゾシカは群れで行動する動物です。1頭渡ったということは、後ろに仲間が控えている可能性が高い。「1頭やり過ごしたら安心」ではなく、「1頭見たら、あと数頭いると思え」が鉄則です。焦って発進せず、数秒待つ。これだけで防げる事故があります。
もうひとつのあるあるが、「目が光る」現象。
ヘッドライトが反射して、暗闇にキラッと光る点が見える。あれを見たら、そこに鹿がいます。夜道で光るものを見つけたら、まず減速。道民の第六感みたいなものですが、これは科学的にも正しい反応です。
笑えないのが、修理費
さて、ここからが本題です。
エゾシカ、奴ら想像以上に大きい。体長2m、体重150kgに達する個体もいます。角を含めると180cm近く。これが時速50〜60kmで走る車に突っ込んでくるわけです。
結果どうなるか。
衝突時の平均的な車両保険の支払額は50万円台後半という統計があり、しかも年々高額化しています。バンパーが割れて済む話ではなく、ボンネットが波打ち、ラジエーターが潰れ、走行不能になることも・・・
「鹿とぶつかった」は、立派な大事故になり得るのです。
落とし穴:その車両保険、鹿は対象ですか?
そしてここが、この記事でいちばんお伝えしたいポイントです。
エゾシカとの衝突は、相手が動物なので「単独事故」の扱いになります。
つまり、単独事故を補償するタイプの車両保険に入っていないと、修理費が出ない可能性があるということ。
車両保険には、補償範囲の広いタイプと、対象を限定した安いタイプ(車対車のみなど)があります。
後者だと、鹿との衝突は補償対象外になることがあるのです。「保険に入ってるから大丈夫」と思っていたら、数十万円を自腹で払うことになった ── これは本当にありえる話です。
秋が来る前に、ご自身の保険証券を一度確認してみてください。「車両保険がどのタイプか」。これだけで、心構えがまったく変わります。
もし、ぶつかってしまったら
万が一のときの動き方も、押さえておきましょう。
まずは安全確保。ハザードを点けて、可能なら安全な場所に停車します。慌てて道路の真ん中で降りると、後続車との二次事故につながります。
次に警察へ連絡。動物相手でも、これは交通事故です。届け出をしておかないと、保険を使うときに必要な証明(事故証明)が取れません。「鹿だから」と黙って帰るのはNGです。
そして、鹿には不用意に近づかないこと。倒れていても、生きていて暴れることがあります。大型動物なので危険です。
車が動かない状態なら、レッカーの手配が必要になります。
急ハンドルは、絶対にダメ
最後に、いちばん大事な話を。
鹿が飛び出してきたとき、反射的にハンドルを切りたくなります。でも、急ハンドルは絶対に避けてください。対向車線にはみ出しての正面衝突、路外への逸脱、横転 ── 鹿との衝突より、はるかに深刻な事故につながります。
冷静に言えることではありませんが、原則は「ブレーキで減速、ハンドルはまっすぐ」。鹿を避けようとして命を落とすことのないように。守るべきは、まず自分と同乗者です。
困ったときは、まず一本
まだしばし北海道の短い夏は続きますが、秋の夕暮れ、郊外の道。北海道で運転する以上、鹿との遭遇は避けて通れません。
でも傾向を知り、備えを確認しておけば、防げる事故はたくさんあります。
そして、もし何かあったときは ── Drive Partnerにご連絡ください。
「鹿とぶつかって車が動かない」「どこに連絡すればいいか分からない」── そんなときの最初の相談窓口です。状況をうかがって、レッカーの手配から、その後の修理工場のご紹介、保険を使った流れのご相談まで、まとめてお手伝いします。夜間の出先で、一人でパニックにならないために。北海道で車のトラブルに困ったら、まずは一本、お気軽にどうぞ。
日々の運転、どうかご安全に。そして道端で光る2つの点を見つけたら、ゆっくり減速を。
※本記事の統計は執筆時点で公表されている情報をもとにしています。事故件数や修理費用は年度・調査により異なります。保険の補償範囲は契約内容によって異なるため、必ずご自身の保険証券・保険会社の最新情報をご確認ください。事故発生時は安全確保を最優先に、状況に応じた適切な対応を行ってください。
Drive Partner
住所:北海道札幌市中央区南十一条西20丁目3-29
電話番号:011-796-3293
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